2011/04/24

中島聡さんの 『エンジニアとしての生き方』 出版記念講演会 に参加してきました。

普段から愛読させていただいているブログ『Life is beatiful』の中の人
中島聡さんの出版記念講演会に参加してきました。

Life is beautiful: 出版のお知らせ:「エンジニアとしての生き方」本

リンク先は『エンジニアとしての生き方』出版時のエントリーです。


中島さんはWindows95、98のチーフアーキテクトを務め、現在はUIEvolutionを経営する傍ら
CloudReaderやneuシリーズといったiPhone・iPadアプリをリリースされるなど
大変実績豊富な方ですが、私的には『Life is beatiful』の中の人という印象です(笑)

特に今年に入って公開されたSNBinderというJavascriptライブラリは、その発想から実装方法まで
大変参考にさせていただいています。

Life is beautiful: JavaScript HTMLテンプレートエンジン SNBinder 公開

ピュアAJAXアーキテクチャという考え方で作られたライブラリです。


経験豊かな先輩がこのようにそのノウハウを公開してくださるのは大変ありがたいです。

最も印象的だった話

Microsoft時代の話が印象的でした。

中島さん曰く、Windows95、98の頃のMicrosoft社を再現できればどんな事業をやっても成功するだろうと。

当時のMicrosoftはトップから末端に至るまでのビジョンの共有具合が半端じゃなかったそうです。
中島さんの表現では、全員がビル・ゲイツクローンだったのだと。

些細なプログラムの仕様ひとつを決めるにしても、大きく捉えれば経営判断となるわけです。

そのようなことに逐一ビル・ゲイツが判断を下すわけにもいきませんが、社内でビジョンが共有されることで末端のコーダーもビル・ゲイツと同じ判断を下せる状態だったとのことです。

Microsoft社が『失われた10年』に突入してしまったのも
『すべての家庭にコンピュータを』というそのビジョンが達成されてしまったからだと分析されていました。

Microsoftの話をもうひとつ

ネットバブルが始まり、人材がどんどん社外に流出していった時の話も印象深かったです。

流出を食い止めるため、ビル・ゲイツは中島さんをはじめとする中堅社員を集めた会議を開いたそうです。

当時の開発の主流は、少人数・短納期のプロジェクトを量産し、そのうちのひとつがヒットすればOKというものに変わっていっていたのに対し、Microsoftでは依然として5年後リリースのための数千人プロジェクトが多く、中島さんはMicrosoft社も世の流れに合わせてシフトしていくべきとの意見をビル・ゲイツに伝えました。

ビル・ゲイツの返答はこのようなものだったそうです。

『そのスタイルは金のない者たちのスタイルだ。
資金が潤沢にあるMicrosoftの使命はそれではない。』

結果としてこのビル・ゲイツの判断は誤りだったのかもしれませんが
さすが一時代を築いた男のセリフというかなんというか。

胸が熱くなりました。

信念とか・・言葉にすると陳腐ですが、大事ですよね。

中島さんの印象

話好きなおじさんという印象でした(笑)

人の上に立つ方は話好きな方が多いですね。

ついていく若い人たちもその方がやりやすいでしょう。

相槌を打ちたければ打てばいいし、噛みつきたければ噛みつけばいいわけです。
噛みつかれて呆れることはあっても怒ることはない方ではないでしょうか。

そんなおおらかさも感じました。

最後に

中島さんは1960年生まれ、私が1980年なのでちょうど20歳違いです。

実績豊富でいまもなお新しいことにチャレンジし続ける中島さん。

20年後の私はどうなっているのでしょうか。
話好き属性は意識的に身につけていきたいなと思います。

あとは、いま1年を目処にやっているニート生活を実のあるものにしなければ・・w



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